騙されない自分になるために——お金と脳の勉強法

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『もう少し楽に暮らしたい』『少しでもお金を増やしたい』——そう願うのは、誰にでもある自然な感情です。しかし、その”ごく普通の願い”こそが、詐欺師たちにとっての入り口になります。人は『得をしたい』と思った瞬間、脳の中でドーパミンという快楽物質が分泌され、冷静な判断をつかさどる前頭葉の働きが一時的に鈍ります。このとき、思考は『考える』より『感じる』が優先され、普段なら疑うような話でも『もしかして本当かも』と信じやすくなるのです。

つまり、だまされるのは『性格が素直だから』でも『知識が足りないから』でもなく、脳の仕組み上、誰にでも起こりうる現象だということ。だからこそ必要なのが、脳のくせを理解し、数字や仕組みを自分の頭で考える『お金の勉強』です。お金を学ぶことは、単に資産を増やすためではなく、脳を冷静に保つ訓練であり、自分を守る力を鍛えることでもあります。この回では、脳がだまされるメカニズムと、50代からでも始められる”お金の学び方”について、一緒に整理していきましょう。

脳はだまされるようにできている

人間の脳は『快(得)』を求め、『不快(損)』を避けるようにできています。たとえば、『この投資なら月5万円の配当金が入る』『先着10名限定』など、お得や希少性を示す言葉を聞いた瞬間、脳内でドーパミンが分泌され、『気持ちいい』『ワクワクする』感情が生まれます。このとき、論理的に考える部分(前頭前野)の働きが一時的に鈍り、『考える』よりも『感じる』が優先されてしまうのです。つまり、人は理屈よりも”感情で判断する”生き物。詐欺師たちはこの仕組みを知り尽くしています。彼らは『限定』『特別』『今だけ』など、脳が興奮するキーワードを使い、”考える余裕”を奪うことであなたの判断を鈍らせます。

さらに、50代以降の私たちは、人生経験が豊富であるがゆえに『自分は見抜ける』と思いがちです。しかし、その自信が”油断”につながることもあります。脳は、『理解した気になった情報』には深く考えようとはしない性質があるからです。もう一つ忘れてならないのは『疲労』と『ストレス』。脳が疲れていると、エネルギーを節約しようとして、”簡単に答えが出せる情報”を優先しています。『誰かが勧めているから』『みんなやってるから』と流されるのは、その瞬間、脳が”考えることを面倒に感じている”状態なのです。

つまり、だまされやすさとは『知識の有無』ではなく、脳が冷静さを保てる状態にあるかどうかで決まります。そのためにも、お金に関する正しい知識を持ち、『焦らない・比較する・一晩寝かせる』など、脳をクールダウンさせる習慣が大切なのです。お金の勉強は、ただ資産を増やすためではありますん。それは、『脳のクセを知り、考える力を取り戻す』ための学び。だまされないための仕組みを”敵にせず、味方につける”ことから始まります。

目次

『知らない』が一番のリスク——お金を学ぶ意味を知る

『お金のことを考えるのは苦手』『難しい話はわからない』そう思ってきた人ほど、実は狙われやすいと言われています。詐欺師や悪質な業者がつけ込むのは、『お金のことは誰かに任せたい』という”思考の空白”。この『知らない』『わからない』という状態こそが、最大のリスクになるのです。

お金の知識がないと『判断』を他人に委ねてしまう

たとえば、投資の知識がない人は『プロが言うなら』『儲かるって書いてあったし』と、根拠を自分で確かめずに信じてしまいがちです。これが危険なのは、お金の決定権を自分で放棄してしまうこと。お金の世界は『自己責任』が原則。だからこそ、知識がないまま判断を人任せにするのは、自分の人生の舵を誰かに渡すようなものです。本来、『投資』『副業』『保険』『年金』『節税』などの仕組みは、少しずつ学べば、誰にでも理解できます。ところが、”知らないまま”にしておくと、『誰かの言葉』に頼るしかなくなり、その瞬間に『搾取される側』に回ってしまうのです。

『楽して儲けたい』は、知識不足が生む”幻想”

『自分にもできる簡単副業』『スマホ一つで不労所得』こうしたキャッチコピーに惹かれてしまうのは、人間の自然な心理です。実際、脳は”楽して得をしたい”という刺激に強く反応します。しかし、この『楽して儲けたい』という感情が働くと、脳は冷静な判断を下す力を失い、目の前の情報を都合よく解釈してしまうのです。詐欺師たちは、この真理を熟知しています。つまり、『相手の脳をアホにさせて騙す』。焦りや欲望を煽って、思考を停止させる——それが彼らの手口です。

だからこそ、だまされないために必要なのは『疑う力』ではなく、『理解する力』。『何をしているのか』『どこにリスクがあるのか』を最低限でも自分の頭で理解して判断すること。それが、”自分の脳を守るお金の勉強”なのです。

『知っている』と『選べる』はセット

お金の勉強というと、『数字が苦手だから・・』と身構える人も多いでしょう。でも、本当に必要なのは、電卓をたたく力ではなく、選択肢を見極める力です。たとえば、

・目の前の副業が『労働収入』なのか『投資』なのか

・『保証付き』と言われるけど実際は何の保証なのか

・『元本保証』は本当に保証されているのか

こうした基本的な問いを立てられるだけでも、被害に遭う確率はぐっと減ります。知っている人は、冷静に『これは変だ』と気づける。知らない人は、言葉のうまさに惑わされる。この差が、そのまま人生の分かれ道になるのです。

『お金を知る=自分を大切にする』こと

お金の知識をつけることは、誰かを疑うためではありません。自分の努力や人生を守るためです。せっかく積み上げてきた貯金や経験を、一瞬の油断で失ってしまうことほど悔しいことはありません。でも、『学ぶ』ことで、そのリスクは確実に減らせます。『騙されたくない』ではなく、『自分で選べるようになりたい』。その姿勢こそが、人生後半戦のお金の安心を生む第一歩です。

『運』ではなく『学び』でお金は守れる

お金の世界には、”特別な才能”や”運”が必要だと思っている人が多いかもしれません。でも実際は、そうではありません。大切なのは『知ろうとする姿勢』と『正しい学び方』です。お金の勉強と聞くと、難しい専門書や数字ばかりを思い浮かべて、つい構えてしまいますよね。けれど、最初は一冊の本で十分です。たとえば、投資や老後資金、家計管理など、自分が今気になるテーマの本を一冊読んでみる。その本の中に書かれている意味がわからなければ、それを調べる。今はChatGPTに『わからない文章+中学生にもわかるように説明して』と打ち込めば、わかりやすく説明してくれます。それだけでも『お金を見る目』は確実に変わっていきます。

『読むのが苦手』『時間がない』という人は、最近はYouTubeやポッドキャストの本の要約チャンネルを活用するのもおすすめです。要点を短時間で理解できるだけでなく、複数の専門家の意見を比較できるのも大きなメリット。ただし、ここが大事なポイント。『この人がすごい』『この人に運がある』といった”個人の成功体験談”ではなく、誰がやっても再現できる仕組みや原理を教えてくれる人から学ぶこと。

たとえば、『分散投資するとなぜいいのか』『リスクとリターンの関係』『お金が儲かる仕組み』『なぜ、無料で提供できるのか』こういう”万人に共通する知識”を教えてくれる発信者や書籍を選ぶことが、お金の勉強を『運任せ』ではなく『実力』に変える最短ルートです。

お金の知識は、誰かの才能ではなく、学んだ人の味方をします。『知らないまま』ではなく、『知っている自分』で生きる——その一歩が、あなたの資産も心も守る力になるのです。

『退職金を守る力』も、学びから生まれる

50代になると、『そろそろ退職金が見えてきた』『このお金をどう使えばいいのか』と考える人が増えてきます。長年頑張って働いて得たお金。だからこそ、誰よりも大切に扱いたいはずです。けれど実際には、この時期こそが最も騙されやすいタイミングでもあります。『失敗したくない』『もう一度チャンスを掴みたい』『少しでも増やしたい』という想いが混じるからです。そこにうまい話を持ちかける人が現れる。そして気づいた時には、大きな退職金が消えていた——そんなケースが後を断ちません。

『銀行だから安心』と思い込まないで

実は、私の両親も退職金をきっかけに投資を始めました。『銀行の人が勧めてくれたから大丈夫』『儲かるって言われたから』そう信じて、よくわからないままに言われた銘柄に投資をしてしまいました。結果的に退職金の多くを失ってしまいました。決して特別な話ではありません。こうしたケースは今でも本当に”よくあること”なのです。

銀行員や証券会社の担当者が悪意を持っているわけではありません。でも、彼らには『ノルマ』や『販売目標』があります。つまり『あなたのため』ではなく、『自社の商品を売るため』に提案していることも少なくないのです。『銀行員が言うなら安心』そう思って任せてしまうと、気付かないうちに自分のお金の決定権を手放してしまうことになります。だからこそ、退職金のような大きなお金ほど、『自分で理解できないものには手を出さない』『説明を聞いてもピンとこないものは、一度持ち帰る』この二つを徹底することが大切です。

お金を守る基本は、”疑うこと”ではなく、”理解すること”。どんなに親切そうに見える人の言葉も、最終的に決めるのは自分自身です。そのための『判断軸』を持つことが、お金の勉強の本当の目的なのです。大切なのは『誰を信じるか』ではなく、『自分が理解して選ぶこと』。銀行や専門家の言葉を鵜呑みにせず、自分の頭で考える力こそが、退職金を守る最大の防御になります。

初心者におすすめの本

『お金の勉強をしたいけど、何から始めればいいの?』そんな声をよく耳にします。難しい経済理論や専門用語ではなく、日常すぐ役立つ考え方から学ぶのがおすすめです。ここでは、50代女性にも読みやすく、実践につながる書籍をご紹介します。

1.【改訂版】本当の自由を手に入れるお金の大学 (朝日新聞出版) 両@リベ大学長

・図解が多く、読みやすい

・貯める、増やす、稼ぐ、使う、守る力の5つの力を体系的に学べる

・リベ大YouTubeもあわせて学習できて効率的

2.【新NISA対応 超改訂版】難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください! 山崎 元

・初心者向けに『なぜ投資信託がいいのか』を対話形式で解説

・数字が苦手でもスラスラ読める

・銀行や証券会社任せにせず、自分で考える力を育てたい人に最適

大切なのは、『運のいい人の話』ではなく、誰が学んでも再現できる”原理”を教えてくれる人から学ぶこと。学びを通して、『増やす力』よりもまず『奪われない力』を身につけていきましょう。

まとめ

お金の世界は、知っているか知らないかで結果が大きく変わります。『よくわからないから』『難しそうだから』と避けているうちに、判断を他人に任せてしまい、気づけば”誰かの利益”の中に自分が組み込まれている——そんな構図が実際にはよくあります。

詐欺師だけではなく、営業トークの上手い人や金融機関も、時に相手の『思考を止める』ことで利益を得ようとします。だからこそ、お金の勉強は”損をしないための防衛策”でもあるのです。学ぶといっても、難しい専門書を読む必要はありません。初心者向けのわかりやすい本や、YouTubeなどの要約チャンネルから始めても十分です。学びを続けるようになり、騙されにくい感覚が育ちます。

退職金や老後資金が見えてくる50代こそ、自分で判断できる力を磨くことが大切です。『投資=危険』と思うのではなく、『勉強しないことが一番のリスク』と考えましょう。少額から経験を積めば、退職金を守る知恵も自然と身につきます。朝の通勤時間を使って、今日からお金の勉強を始めてみませんか?きっと未来が変わると信じて。

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